■ Bad Blood


※ caution!! ※
この先にはちょっとエロスな表現があります。
ぬるいものですが、一応性的描写のためR−18指定です。
身体か心の年齢が十八歳以下の方は見ちゃダメ。

このページを飛ばしても問題なく次へ進めます。

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最後の一枚を脱ぎ終わり、女が俺を呼んでいる。

「ねぇ、一緒に入ろ♪」
「……めんどくせーなあ」

にやつきつつ俺がぼやく。目の前で、女がフフンと笑った。 心底では軽く本気で嫌がりながらも、表情は嬉しそうに作ってシャワーに向かう。 自分の魅力に自信満々、という女の態度は確かに伊達ではなかった。 女の肉体だけはなかなかに上モノだ。

ま、暇つぶしには悪くない相手だな。 とにかく一緒にシャワーには入ったが、ちょいといたずらしたぐらいでとっととあがってやった。 女に触るよりもむしろ髪や体を洗い、本格的に風呂浴びに来ました、といった風だ。

「じゃ、先あがるわ」

そんな言葉を軽く投げつけ、シャワー室を出る。 背後から、面食らったような、バカにしたような気配を感じた。 そのまま風呂ハメ、とか考えていたのか。 だとしたら、さぞかしムカついた顔で俺を見送っているだろう。 あの手の自信家は、男が自分にガッついてこないとてきめんに怒り出すからな。

俺は、寝心地の良いベッドに転がり『水割り』を作り始めた。 ノンアルコール、でも見た目は普通の水割り。酔いたくないときには便利なもんだ。 だらだらと音楽を聴きつつ、何本目かの煙草を押しつぶす。

やがて、シャワーのドアが開いた。 出てきた女がほんのり湿った髪をかきあげながら近づいてくる。 やらしい笑い方が手馴れた印象の唇だ。 整った爪には、ピンクがかったパール系の輝き。 タオルで隠した体はやっぱり上モノで、なかなかウマソウな感じだった。 表情やしぐさも、どことなくだが、さっきまでの仕事帰りのOL風から遊び慣れた色っぽい女風に変わっている気がする。

女は俺の傍らに座った。 きし、とベッドが鳴る。 ひょいと手をのばしてタオルをはぐと、さっとガードしてきやがった。

「やんっ♪」

身をくねらせる女。 何が「やん」だよ。カマトトぶんなって。

女は妙に愛想よく微笑み、ゆっくりとタオルを取った。 シャワーのときも思ったが、いい乳ですねぇ。 わかったから、そんなに強調するなよ。もう十分だぜ。 しかしまぁ、悪い気しない。男なら当然だ。

まずはご挨拶がわりにキス。 初っ端からいきなり舌をねじ込んでやった。 う、だかという抗議の声がしたが無視する。 ぬるりとした感覚。 舌を絡ませ、口中を舐めまわす。吸いつき、なぞる。

「っは……」

二人分の呼吸が混ざる。 激しく絡む中、どちらのものともつかない唾液が口の端から伝った。 首筋に吸いつきながら、相手の背中に片手を回す。 もう片方の手?  そんなもん、女の胸やらどこやらに決まってんだろ。すでに戦闘中だ。

乳房の柔らかい感触を楽しみ、すくい上げるように掴む。 その間も首筋をたどり、這い回る舌。 いったん口を離すと、女は水から顔を上げた後のように息を吐いた。 そのまんま、押し倒し気味にかぶさりながらもう一度口づける。 今度は浅く、何度も。 くちゅくちゅ音がする。その音の合間に女がたてる声が、俺の口の中に響く。

早い展開だった。 きっと、女には『余裕の無い男』に思えただろう。 感じ始めた表情に、得意げな顔色がかすかににじむ。 腹の中で舌を出しつつ、急くように進んだ。

ほどなく、俺の手は女の腹を伝い、太ももを撫でてその間に滑り込む。 やがて、女の陰部をいじる俺の指から、ぐちゅぐちゅという露骨な感触が伝わり始めた。 その間中、がんがん鳴り響く女の嬌声。 俺の背中を引っかく爪の感触。痛くは無い。痕がついていく道筋がかすかに熱い。

ライトを消さない明るい室内。 のけぞった女の喉はやけに白かった。 弓なりにしなる体にわくわくする。騒ぎ始める悪い血を感じた。 女の喉が何かを飲み込むように動く。 乳房に吸い付いていた口を離し、喉笛に甘く噛みついてみた。

「くすぐったぃっ♪」

女が嬉しげに笑う。 苦しげなほどかすれる息と、楽しそうな嬌声がアンバランスだ。 可愛い。 さっきまで気に入りでもなかった女が急にいとおしくなる。

可愛い女の長い長いまつ毛を見れば、いつのまにかわずかに濡れていた。 女の腕が動く。 合わさった身体の間に入り込み、半立状態の俺自身を握り込んだ。 お上手な手つきで根元から絞り上げる。 繰り返す動き、先端のくびれに遊ぶ指先がかなり犯罪的だ。お上手だこと。

俺が目を細めていると、女が上目づかいにぱちくりしながら話し掛けてきた。

「ねぇ、クチでする?」
「最高。ぜひ」

ベッドの上で体勢を変え、俺の膝の中に女が埋まる。 すでに手のひらの中で立ち上がっていた俺を、形のいい唇がずるりと飲み込んだ。 にじみ出す液を飲み込む感触がいい。 口をすぼめて上下しながら、しっかり舌も働かせて。 こちらも大変お上手だ。

さてそろそろ、と、女のうなじをなで上げる。 にこっとしながら体を起こした女に軽く口づけ、あらためて上に乗った。 ぐっと体を進めて、入り口に先端を触れさせる。 最も感覚が集中した先端に、ぬるっと柔い肉の味。 そのとたん、女がぱっと明るい笑みをもらした。

「あんっ、も、早くぅっ!!」

うわっ、うるせぇ!

思わず身を引く。 人の耳元で、そんな大声をだされちゃかなわない。 つい顔をしかめていると、女がいぶかしげに俺を見上げてきた。

「よっく、わめくなぁ」

思わず言ってしまった。

「フ……ゥん。いいじゃない、声出すコ、嫌い?」

上がる呼気の下から、女が言った。 挑戦的なまなざしだ。猫科の動物を思わせる目。こういうのは嫌いじゃない。

女が俺の頭を抱きかかえてくる。 女の腕が、俺の視界の両端を占めた。 その白い腕を、ちら、と見る。 それから右手を優しくつかんで指先を引き寄せた。 女の指をくわえながら見るのは、つけっぱなしの指輪だ。 飾り石は赤茶色のキャッツ・アイだった。

「あぁ、アツぅイ。ねぇ、ノド渇くぅ…ん」
「あ? わめき過ぎだからだろ?」
「んもぅ! はぁ…」

ほんの少しだけ腰をゆらして、女がため息をつく。

のどが渇く、か。 ちょうどいいじゃねぇか。 サイドテーブルに手をのばし、ストレートのアルコールを勧めてみる。 無論、ビンごと。 案の定、女は色っぽく拒んだ。

「いや……」

眉を寄せ、つと顔を背ける。

「お酒飲めないの。お水がいいな……」

切なげな口調と、表情。 一瞬、瞳の奥に何かが見え隠れした。

打算。 焦りかもしれない。 ちょっとした緊張感と、慣れきった芝居の匂いがする。

「ちっ。待ってろっ、と……」

仕方なくベッドを離れ、がしがしと頭をかきながら冷蔵庫に向かった。 中からミネラルウォーターのボトルを取り、その場で開ける。 背後で、女が「早くぅ」と甘ったれた声を出した。

「何を『早く』して欲しいんだよ。水か? コッチか?」

勇ましい状況の下部を指しつつ、苦笑交じりに近づく。 しっかし、我ながらこの二者択一は最悪のセンスだ。 女が手を差し伸べてくる。 冷たいボトルを渡しはせずに、俺は自ら水をがぶりと含んだ。

「ん」

口を突き出す。 女はけらけら笑いながら口づけを受けた。 キンと冷えた水が流れていく、俺から女の唇へ。 顔を離せば、ルージュの取れた薄桃色の唇を光らせ、女がにったり笑う。

「もう一口は?」

片眉をあげて女に問うと、今度は自分から唇を差し出してきた。 目を閉じて口づけを待つ、お姫様のポーズ。 そのまんま、ずっと目を閉じてりゃ可愛いんじゃないかね、あんた。

何気ないふうに右手を重ねる。 白い指をまさぐると、金属の感触があった。体温で生ぬるい。 にやっと笑いながら、俺はもう一度水を含んだ。


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