■ Money  another side


薄汚れた裏路地の壁にもたれて、数人の若者がたむろしている。 ある者は少し曲がったタバコを口にくわえ、ある者はぼんやりと空を見つめ。

「なぁーんかさぁ、イイことねーかなぁー」

ウェーブがかった金髪の一人が天を仰いだ。 ひょろりとした身体つきの一人が、まったくだと言うようにうなずいている。 どこか子どものような印象の残る顔つきからして、この若者が最年少なのだろう。 向かい合うようにして、金髪とは反対側の壁際に座っている。

「そう簡単にイイことなんかないさ」

黒い髪をかきあげながら、また別の若者が笑った。 そんな仲間を見上げながら、最初の金髪がにやりんと笑って見せる。

「だよなっ♪」

金髪は、ふわあとあくびをして言葉を続ける ――――。

彼らの上には青空が続く。二つの壁に挟まれて、滑らかな青い帯のようだ。 青空を挟む壁の一つ、すなわち、彼らがいる路地を造っている二つの建物の一方。それは、ある高級ホテルだった。

黒服の男。相棒風の男。そして訪問者。出来事は、その一室で起こっている。


NEXT / EXIT  TOP

inserted by FC2 system