薄汚れた裏路地の壁にもたれて、数人の若者がたむろしている。
ある者は少し曲がったタバコを口にくわえ、ある者はぼんやりと空を見つめ。
「なぁーんかさぁ、イイことねーかなぁー。」
ウェーブがかった金髪の一人が天を仰ぐ。
ひょろりとした身体つきの一人が、まったくだと言うようにうなずいている。
どこか子どものような印象の残る態度からして、この若者が最年少なのだろう。
向かい合うようにして、金髪とは反対側の壁際に座っている。
「そう簡単にイイことなんかないさ。」
黒い髪をかきあげながら、また別の若者が笑った。
そんな仲間を見上げながら、最初の金髪がにやりんと笑って見せる。
「だよなっ♪」
金髪は、ふわあとあくびをして言葉を続ける――――。
彼らの上には青空が続く。二つの壁に挟まれて、滑らかな青い帯のようだ。
青空を挟む壁の一つ、すなわち、彼らがいる路地を造っている二つの建物の一方。
それは、ある高級ホテルだった。
黒服の男。相棒風の男。そして訪問者。出来事は、その一室で起こっている。

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