明け方のことだったと思われる。 記憶に蘇る光景はモノトーン。 細い線だけで描かれた絵のような世界だ。 剣の刃に宿る白い光。 土ぼこりか煙かもわからない喧騒。 ぶつかり合う剣の鋭い音が辺りに響く。 そして、 ただ一つあざやかだった、鮮血の色。 よくは覚えていないのだ。 だって、これは昨夜の夢なのだから。 その場所はどうやら異国のようであり、 ずいぶん古い時代のようでもあって、 現実とはあまりにも程遠い夢だった。 それなのに、 なぜこんなにも、あの赤が瞳に焼きつく?
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