03 記憶に残る赤

明け方のことだったと思われる。
記憶に蘇る光景はモノトーン。
細い線だけで描かれた絵のような世界だ。
剣の刃に宿る白い光。
土ぼこりか煙かもわからない喧騒。
ぶつかり合う剣の鋭い音が辺りに響く。
そして、
ただ一つあざやかだった、鮮血の色。

よくは覚えていないのだ。
だって、これは昨夜の夢なのだから。
その場所はどうやら異国のようであり、
ずいぶん古い時代のようでもあって、
現実とはあまりにも程遠い夢だった。

それなのに、

なぜこんなにも、あの赤が瞳に焼きつく?

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