地味な娘と派手な娘



誰より早く芽吹いても 夏には採って食われるばかり
春が来たねと目を細められても 薔薇や桜のように美しさをほめられたことはない
毎年芽吹くふきのとうの花を私のカケラに例えてみる
今年は花のうちに召し上がれ 揚げても炒めてもおいしいのよ
少しほろ苦い私の味をどうぞ
本当は食われるために咲くのではないのですけれど


誰より早く芽吹いたら 夏には枯れて土の下に眠る
春が来たねと目を細められるよりも 新年の寿ぎになぞらえられる方がいい
毎年芽吹く福寿草の花は太陽のカケラに似ていると思う
けれどあの花には毒がある 薬にもなるが扱いは難しい
素人が手を出すと怖い目に合うよ
見て愛でて満足せよ 食べたいなんて思わないでね



NEXT / EXIT  TOP

inserted by FC2 system