高架下を通る。
トンネルのような通路をくぐる。

薄汚いコンクリートの壁に、有名な一文を見る。
黒いスプレーで書き殴られた、ありきたりな落書きである。
色褪せ、他の落書きにかき消されかけている。
灰色の壁に、真に有難いはずのお言葉が書き付けてある。

書いた本人は意識なんかしていないだろう、これが釈迦尊の言葉だなんてことは。
裕福な王子様として生まれた彼が、生まれてすぐに放った言葉だなんてことは。

天上天下唯我独尊。

生まれる前や死後の国でも  地上の国でも  ただ私だけが尊い。

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