GAME

※ caution!! ※
この先には、暴力表現・残虐表現が含まれています。
血や大怪我が苦手な方はご注意を!
また、暴力表現のため、R−15指定になります。
身体か心の年齢が15歳以下の方は見ちゃダメ。

第一ステージは町中だったりする。 建物の影、道路の向こう、etc. あらゆるところからうじゃうじゃ敵キャラが出てくるのだ。 撃って、撃って、撃ちまくる。 画面上から自分以外の誰もがいなくなるまでひたすら撃つ。

STAGE CLEAR

暗転した画面上に光る白い文字列。 ゲームセンターの中は大騒ぎだった。

「すっげ! やべー!」

口々に歓声を上げつつ若者たちが覗き込むのはガン・シューティング・ゲームの最新作。 大型の機体には灰色の髪をした少年が座り、拳銃そっくりのコントローラーを握っている。

このゲームは店の目玉商品なのだ。 最大の売りは全国規模でのハイスコア競争。 プレイヤーが出した成績は全国的なネットワークで共有されている。 だから、日本中の人々と競い合うことができるわけだ。

今このゲーム機に座っている少年は、最高にクールな腕前の持ち主だった。 ムダ撃ちがゼロ。 一発たりともはずすことがない。 撃った弾は全て確実に敵キャラの急所をぶち抜いていく。 とびきりグレートなハイスコア。 全国順位1位の成績をあっさり塗りかえ、まだまだ記録を更新中だ。

やけに見事な腕前を持つ彼の通称はキッド。 正式にはブローニング・キッド。 ブローニング・ベビーという小さな拳銃、二挺セットの愛用者。 裏の世界じゃすっかり有名になりつつある射撃の名手なのである。

ほどなく、ゲームは終了。 店を出てきたキッドはサラサラしたアッシュグレイの髪をかきあげた。 ウルトラマリンブルーの手袋をはめて、くしゃみを一つ。 彼は楽しげに鼻歌なんか歌いながら町を歩き出した。 歌うメロディはさっきのゲームのBGMだ。 ゲームセンターを出て少し歩けば地下鉄への入り口がある。

その中へと入っていったキッドの姿を見つめる者がいた。 サングラスをかけた謎の男。 男は携帯電話にも似た通信機を取り出して何か話しかけている。 どうやら、誰かに指示を出しているようだ。 キッドはまだ気づいていないけれど、何かが起こり始めた予感。 仮想ゲームは終わったけれど、現実のゲームが始まりそうだ。

さぁ。 ゲームスタート?


GAME START.STAGE 1.


地下鉄の駅である。 キッドは階段を下り、改札を抜けた。 改札の先はホームに続く地下通路だ。 トンネル状の空間の中には人がいた。 壁際に座り込む若い男の二人組。 ストリート系の身軽そうな服装の若者たちだ。

二人は改札の方を注意深く見ていた。 彼らの視線が向かう先には通路へと足を踏み入れたキッドがいる。 その姿を確認したかのように二人は顔を見合わた。 キッドの方も二人組に気がついた様子だ。 チラリと二人に目をやってどこかいぶかしげな表情をしている。 キッドが通路の中に入ると、二人組が立ち上がった。 どうもおかしな目つきだ。険しい表情に込められているのは殺気にも見える。

進むキッド、目を離さぬ二人組。

両者がすれ違う。

1歩、2歩、3歩……。

キッドが5歩目を踏み出したときだった。 突然二人組がナイフを抜いた。 一気に襲い掛かろうと身構えた彼らの目の前でキッドが振り向く。

パン!

軽い音が響く。 二人組の頭が強く殴られたかのように揺れる。 キッドの両手には小さな拳銃。 発砲のタイミングは左右同時だ。ほのかに硝煙の匂いがする。

二人組はよろめき、後ろに倒れた。 ブローニング・ベビーから放たれた弾丸のしわざだ。 弾は頭蓋骨を貫通していた。 二人とも後頭部に開いた穴から脳漿を噴き出している。 額に開いた穴からはかすかに血が流れていた。 まだ生きている。

一人は目玉が飛び出しそうなくらいにまぶたを開き、口をあけている。 もう一人は軽く白目を向いたまま痙攣し始めた。 どちらかが脱糞でもしたのか、独特の臭気が漂う。 あたりに何とも言えない生臭さが満ちていった。 血と汚物の臭いだ。

その場面を盗み見ている人影が一人。 いつの間に現れたのか、改札側の曲がり角から通路の中をのぞいていた。 音もなく、人影は筒のようなものを口に当てる。 どうやら吹き矢のようだ。 狙い定める目標はキッドの左肩。 フッと息を吹き込めば、筒から針が飛ぶのだろう。 ただの針ではないのかもしれない。 たとえば毒針とか。

一方、キッドは若者たちが動けないことを確認し、銃を下ろした。 そのまま倒れた二人をしばし見つめる。 その横顔に向けて、物陰から吹き矢を構える人影。

フッ。

鋭く息が吹き込まれる。 光の矢のように針が飛ぶ。 そのとき、銃を下ろしていたキッドの左手が素早く上がった。

ピィンッ!

小さく金属音が響いて、弾かれた針が宙を舞う。 針がぶつかったものは拳銃、ブローニング・ベビーだ。 小さいけれど鉄の塊。吹き矢ごときに負けはしない。

キッドの右手が動く。 その手に握られた銃口はさっきの人影を間違いなく捕えていた。 引き金が引かれる。 避ける間もなく弾丸は人影を貫いた。 胸の中央辺りを押さえ、人影が地面に転がる。 それは30代くらいの女性だった。 一見はどこにでもいる普通の人だ。とても人の命を狙うようには見えない。 しかし、彼女の側には殺意の証拠である武器が転がっている。 うめく彼女をチラと見たきり、キッドはもう用はないとばかりに惨状に背を向けた。

立ち去っていくキッド。 後に残された女は懐から通信機のようなものを取り出した。

「ターゲット、前進……、こちらは、全、滅……」

かすれた声でどこかの誰かに報告している。 そうしている間にも彼女の胸元はどんどんどす黒い赤に染まっていった。 彼女の位置から、キッドの姿はもう見えない。


STAGE CLEAR.GO TO NEXT STAGE.


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