To my Pride

私は菜月。

今年で、21歳。

菜月は苗字ではなく名前。「なつき」ではなく「なづき」と読む。いつも苗字と間違えられるし、名前とわかれば読み間違えられる。それも含めて自分の名前は気に入っている。

正しく読んでもらえないことを苦労話として話しながらも実はそこが好きでもあるのが、この私。だって、それをきっかけに話ができるし、他の人とは違う特徴だと思うから。そうでなければ初対面の他人と何を話せばいいのかわからない。うまく話せないのは怖いことだ。知らない人はいつだって怖い。

知らない人が怖いのは、私を可愛がってくれるかどうかがわからないから。よく見知った人だってときどきは怖い。その人が期待する一言がわからなくなる時があるから。人の期待に沿えないことは怖いことだ。幻滅されたら、もう目をかけてもらえなくなるかもしれない。いつだって、目をかけてもらえるかどうかは重大な問題だ。コネと愛想がこの世の頼り。自力だけではどうしようもない。

そうだ、他力は重要だ。助けてくれる目上の人はいるに越したことはない。身近なところでは先輩、先達。学校で、修行の場で、遊びでも。自分の一歩先にいる人たちに気に入られることのなんて心地よく、そして必須であることか。親や親せきだって重要だ。何かの際に書類にサインしてくれる身内がいるのはとても大切なことだから。そうそう、そして忘れてはならないのが“先生”たち。教えを乞う師匠、体を見てくれる医者先生、お引き立てくださいる各界の先生と呼ばれる方々も。

思えば私は“先生運”のいい子どもだった。担任してくれた教師たちはそろっていい人だったし、私をかわいがってくれたと思う。私は言うことをよく聞き、誰もが手を上げない時も挙手をするいい子だったから。かかったお医者もいい先生ばかりだった。およそヤブに当たった苦労した記憶は……そういえば、ないわけではなかったけれど。でも結局は、気もよく腕もいいお医者様に行きついて快癒することが多かった。偶然駆け込んだ歯医者だって怖い医者に当たった経験は少ない。そして、今も。


ああ、もう。まとまりのない、まとまりのない話。私の話はいつもこうだ。あれについて話していたと思ったら、いつの間にか別のことについて長々と話している。だから私の話を聞いてくれる人は少ないのだろうか。聞いてくれる人と言うよりは、話をする機会に恵まれていないだけだけれど。

さぁ、いらぬ自己紹介と何だかよくわからないつぶやきはここまでにして、そろそろあの話を始めよう。それはほんのちっぽけな、私が抱いたプライドの話。


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